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古代中国漢字の森の鳥 (2015/5/13)


僕がデジカメ同好会へ入った頃、画像ファイルに漢字の鳥名を付け映写会等で発表していた。先輩から鳥名は正式にはカタカナとの指摘を何度か受け、最近はカタカナ鳥名でファイル名はつけているが、漢字鳥名への憧れめいた残滓が無いとは言えない。

本ホームページの表紙に利用した古代エジプトの象形文字ヒエログリフはミイラの如く3000年の眠りから覚めていない、いやむしろ死んでいると言ったほうが近い。一方同じ象形文字として作られ、今日まで変化しながら連綿と続き、10億以上の人々に使われている古代中国の漢字には畏れさえ感ずる。

「魚篇」と並んで「鳥」(旁)はその漢字でも代表格と目される。手近のIMEパッドの部首「鳥」では176字。手元の漢和辞典で部首「鳥」の集録は121字。

ところが普通の極一般的鳥であるスズメやツバメは、その漢字「雀」、「燕」が示すように部首「鳥」に無い。何故?  そんな疑問から鳥に絡む漢字を調べて見た。諸説ありというところ。

さあ、漢字の森の探鳥をしてみようか。

目次

I 鳥を表す基本の文字
古字体現代
字体
音読探鳥メモ
チョウ「鳥」は鳥名を表す文字を形成する基本の象形文字、但し字の主に右につく(旁)ので「鳥篇」とは言わない。
尾の垂れ下がった鳥
「チョウ」:長々と垂れさがるという意味で「長」に通ずる。

「隹」は鳥名のみならず動作等を表す文字を形成する基本の象形文字で「ふるとり」と言う。
尾の短い鳥の総称、
小柄でずんぐりと太った鳥の意。

では「雉」は山鳥ほどではないにしても尾が長いし、「鳩」の尾は短いが、どう説明するのか?

最近は「隹」は「鳥」を省略した形で、「鳥」と意味上も神聖さも変わらないと言う説もあり。

その神聖さだが、古代エジプトのみならず古代中国でも飛行する鳥は神がイメージされてきている。「鳥=風」で、風神は鳥形の神を現すとか。

しかしながら、中国では「鳥」の漢音が牡の性器に通じ,賤しめ罵る語に用いられているとのことで、バードウォッチャーには気の毒。
スイ
キン手網で鳥を捕まえる意から鳥類を意味するようになる。辞書では「胎卵時にあるもの」とあるが如何だろう。「家禽」「猛禽」の用例がある。


何故「酉」の字を上の表に入れないか
「酉」の古字体には鳥はいないからです。(2006/3/19)
古字体現代
字体
音読メモ
ユウこの字は元々は酒器(酒壷)の形で、お酒の容器及び中身の酒を意味する。鳥の仲間ではよく「三水のとり」と態々言って「酒」を指したが、「三水」が無くとも、「酉」のみで酒です。

「西」の字とは横棒一つの違いだが、古字体は全く違い、「酉」には鳥は潜んでないようです。

十二支は殷の時代1年12ケ月それぞれの呼称として始まり、12区分が便利な方位や時刻の呼称にもなった。「酉」はその十二支の「十」番目に当たり、方位としては「西」を指す。しかし、動物と関係付けられたのは漢代頃と見られている。「酉は鷄なり」とか殆ど当て字のようで、詳しい事はわかっていない。


II 辞書「鳥部」に無い常識の鳥
古字体現代
字体
音読探鳥メモ
カラスは真っ黒で、眼がどこについているのか分からない。字形も「鳥」から瞳を取った形。死んだ鳥の形とも言われ、悪い鳥のイメージ。この字は辞書の部首「鳥」では「-1画」が無いので探し難い。
エンツバメが空中を飛ぶ姿の象形とのことだが想像しにくい。
イツこれもツバメが空中を飛ぶ姿の象形とのこと。「燕」より空中を飛ぶ姿に見える。飛んでいる軌跡にも見える。現在は音から「乙」が当てられているが、本来はである。また、IMEパッドにはこの字がツバメとしてある。
VII章参照
シャク
ジャク
「小」と「隹」の組合せで始まったが現在は「少」と「隹」の会意文字。スズメ


III 鳥の鳥たる所以
古字体現代
字体
音読探鳥メモ
翼を左右に広げて飛ぶ象形。「飛ぶ」、「上がる」、「早い」の意で使われる。
羽の象形で、小さな羽が主な意味。大きな羽は「翼」と言う。
羽で飛行する形、順序よく並んだり対の意味を持つが、後に否定の字になった。
梳き櫛の形とも言われる。


IV 神聖
古字体現代
字体
音読探鳥メモ
フウ鳳(おおとり)と風の原字は同じで、大鳥が羽ばたいてゆれ動くさまを示すとのことだそうだ。風は風神、鳥形の神とみられた。神聖であるが故に何れにも冠飾りをつけている。「小便無用」などと言わないで下さい。
ホウ


V 「隹」の入った文字
古字体現代
字体
音読探鳥メモ
セキ「又(ユウ、右手)」と「隹」の合成、人が右手に鳥を持った形の会意文字
「ひとつ。かたわれ」の意
ソウ2羽の鳥を右手に持った形
「ふたつ・一対のもの」の意
シュン鳥と十の組合せの会意文字。「十」は迅く飛ぶの意や、細くしまってすらりとした意等の説がある。ハヤブサ
シュウ
ジュウ
古くは隹が三つ木に載った形で、集まる意
スウ鳥のヒナ
ユウ鳥のオス。「広」は古くは「右」(ユウ)を使っていた。「雌雄を決する」などと用いられ、勝敗、優劣なども現す。
哺乳類は「牡」。「士」は男性器。
鳥のメス。「此」(シ)には細小の意味がある。
哺乳類は「牝」、「ヒ」は女性器。
これは旁が「隹」でなく「鳥」でカラス 鳴き声から。面白いのは、右側(旁)は「烏」でなく「鳥」。

「隹」のカラスもあるのだ。この字も1)当初は鳴き声からやはりカラスである。
2)カラスとは程遠い「みやびやか」に転化。発音が「夏」と似ているための代用ということだが、

「隹」には全く鳥とのかかわりが無いような意味の文字に使われておりその由来を調べると面白い。雑、進、羅、唯、雖、焦、推、維- - - - - -


VI  鳥は見えるの?
現代
字体
古字体音読探鳥メモ
トウ鳥が海の岩山に止まる(休む)形で会意兼形声文字。
ソウ木の上で3羽の雛が首を上げ、いかにも巣の感じがする。
西セイこの字も巣の象形文字、3羽の雛の頭が見えなくも無いが、僕には想像し難い。 鳥が帰巣するのは日が傾くころで、日の傾く方角に西字が当てられた。木篇がつくと「栖」となる。
キュウ「旧」の元字は「舊」で中に「隹」がある。この草冠の付いた隹の字がミミズク。古字体では草冠が耳に見える。では何故下部に「臼」があるのか? 「臼」は「うす」ではなくミミズクを捕まえる罠(鑿歯の付いた器)だそうだ。ミミズクが罠に掛かって、逃げられない状態を表す会意文字。尚、辞書によっては「舊」自体もミミズクやフクロウの意味で使われたこともあったようだ。
--------------------(2006/5/9追加)


VII  変な鳥、篇の鳥、欲の鳥
「鳥」は旁で右の配置が極普通であるが例外もある。IME辞書から拾ってみた。IME辞書にあってもWeb上では表示されない場合もあるようなので、その場合はごめんなさい。


字体IME辞書読み探鳥メモ
イツ、つばめツバメ、燕、玄鳥。この字体はやや異なるがIMEパッドにあった。僕の持つ漢和辞典にもあった。右は古字体。
II章参照
ケキ、ゲキ、もずモズ百舌、鵙。
タ、ダダチョウ、現在は「駝」鳥の字を用いている。
シ、とびトビ鳶。IME辞書では「鳥」は旁のみ。
スイ鳩の一種、「鳥」と「隹」の両方を使う欲張りな鳥。
ショウところが篇と旁を逆にしたような欲張りな鳥、「ミソサザイ」だ。いささか焼き鳥気味だが、それで黒焦げに見えるのか?いや撮影技術だろう。
テキ、やまどり更に「羽」をつけた鳥、これが僕の見た一番の欲張り、「ヤマドリ」。
カク、つる「鳥」と「隹」を使った字で忘れていた鳥が居た。「鶴」である。右の写真はタンチョウ。
ヨウ、たか鳥の頂点に立つ猛禽。「广」(まだれ)の中に「隹」と「鳥」を横に並べず、縦に並べている。そう、「鷹」、大事な鳥を忘れていた。右の写真はハイタカ。


以上お付き合いいただき感謝します。ところで、僕は、そっそっかしいのと、勝手な結論を考えて、何時も曲解していることが多い。参考にした書名をここに示すので、興味をもたれた方は是非見て欲しい。


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